FM三重「ウィークエンドカフェ」2022年5月14日放送

銚子川のせせらぎが朝の始まりを告げる。
毎日のこの景色を見て、幸せだなと感じているのが今日のお客様、『NPO法人ふるさと企画舎』の理事長、田上至さんです。
キャンプイン海山をフィールドにして、自然のすばらしさを伝えています。

育てをしている家族を応援しよう。見知らぬ子どもたちが友だちになる

紀北町の大切な『キャンプinn 海山』を預かるものとして、僕たちの目指すものは、「子育てをしている家族」を応援したいという気持ちがあり、みんなで子どもを育てましょうよと言っています。
子どもというのは、学校や家庭などの社会で生活していますが、ここに来ると見知らぬ子どもたちが友だちになるんですよ。
年齢もさまざまなので、さまざまな子どもたちが一緒に遊ぶ。
これは意外と少ない気がするんですよ。
僕たちの子どもの頃なら年長の子に遊んでもらった覚えがありますが、今の学校はもしかしたら同じ年代としか遊ばないんじゃないかな。
だからキャンプ場でさまざまな年齢の子と遊ぶと、学ぶんですよ。
僕たちが感動するのは、子どもたちが成長する瞬間瞬間の場面に出くわすことです。
僕と遊びながらのときもありますし。
やはり子どもたちはキャンプで成長するな、と感じます。
何というのか…広く、成長するんです。

 

イフで火おこし。けがをすることも学びの1つ

ナイフで火熾しとか。
マッチとかライターで火を付けるのではなく、ナイフで木を削って、金属棒で火花を起こして、火を付ける。
普通は大人がする世界ですが、子どもでも教えるとします。
その時の、子どもの誇らしい顔!
ナイフを使う以上、これはどんなものか、怖いものだとわかるし、たまに手を切っても多少の擦り傷なら、その子のためになると思います。
僕はもともと、「海山めだかの会」という自然保護の会をしていまして、その名残で『めだかの学校の校長先生』ということで、ちびっこから校長先生と呼ばれています。
校長先生がアウトドアの先生として教えることは、細かく言うといっぱいあります。
その一つに、濡れた石に乗ったら滑るか滑らないかがあります。
別に濡れた石では滑りません。
でも子どもたちが乗って滑ったのなら、その理由を考えるんですよね。
苔が生えていると滑るんだ、と。
僅かなことでも、それが蓄積していくと、子どもたちの大きな怪我に繋がりにくいと思うんです。
子どものときに痛い思いをするというのは、大事なことなんです。

 

ャンプ場に来た時くらいは子供たちに伸び伸びと過ごしてほしい

このコロナ禍でキャンプ場を閉鎖した時期もありました。
大人の試練というか、どれだけ日々幸せだったのかを思い知りました。
子どもがいない世界というのは、本当に辛かったです。
僕が生き生きしていられるのは、ちびっこたちと遊んでいられるときなんだな、と実感しました。
コロナは本当にもう、勘弁してほしいです。
子どもたちはもっとさらに可哀想なので、ここに来たときくらいはのびのびとしてほしいです。
いろいろ夢があります。
銚子川の課題もそうなんですが、もう一つは熊野古道ですね。
三重県に唯一つの世界遺産を、どういう風に生かしていくか。
世界遺産登録20周年が2〜3年後に来るので、さらに伊勢路の魅力を引き出していくのが1つの夢ですね。

 

勢路は、わくわく・ドキドキ、ハラハラが詰まっている

僕はバックパックをしています。
やはり、伊勢路を通して歩こうとすると、着いたところで宿がうまく取れなかったりなかったりすると、せっかく歩いてきたのに、そこから公共の乗り物に乗って移動するというのが悔しくて。
前に進むのみで行こうとすると、テントを持たないとダメなんですよ。
テントを張るのは河川敷くらいに抑えておかないと迷惑がかかりますが、トイレがあるところと河原くらいで。
そのときに、今から生活をする手段を詰め込みじゃないですか。
子どもが遠足に行くときの気分と、同じなんですよ。
ワクワク、ドキドキ、ハラハラというか。
その楽しさを伊勢路に取り入れていけたら、絶対に最高に面白いです。
ロケーション抜群ですし。
そういう楽しみ方を広げていったら、三重県の観光の一つの目玉になるんじゃないかと思います。
現代社会では歩くのを好まない人も多いですが、バックパックで歩くのとハイキングではちょっと違いますね。
子どもが秘密基地を持って歩いているんですよ。
どこで遊ぼうが自由なんですよ!
ワクワクしませんか?

この地域はすごいです。
山があって川があって、海があるんです。
海がまた面白いんです!